「中判ほしいな・・・」と声に出してみたらすごく欲しくなって、一週間後には手に持ってました。
PENTAX67、通称「バケペン」として親しまれている、中判フィルムカメラです。
中判フィルムカメラとは
中判フィルムカメラは、120フィルム(ブローニーフィルム)を使用するフィルムカメラのことです。
写ルンですや、通常のフィルムカメラに使われる35mmフィルムと比べると、撮影できる面積がとても大きい。中判カメラには645(6×4.5)、6×6、6×7、6×9といったフォーマットがありますが、使うフィルムは同じ120フィルム。フィルムの横幅をどこで区切るかでフォーマットが変わります。
1枚単価は結構高い
そして同じ長さの120フィルムを使うため、フォーマットによって撮影できる枚数が違います。食パンの6切りや4切りと同じです。
一番小さい645で15か16枚、一番大きい6×9で8枚です。僕の買った67は10枚。
フィルムは大体1本あたり600円〜です。お店によると思いますが、カメラのキタムラで現像したとして、現像代+データ化は税込み1,200円くらい。ということは写真1枚あたり180円〜。なかなか震えます。
PENTAX 67というカメラ
さて、今回購入したのはPENTAX67という6×7の中判フィルムカメラ。
CONTAX RXのときにやらかしたので、次買うフィルムカメラは絶対お店にしようと思っていたのに、個人売買で買ってしまった。なんだかこのオーナーさんのなら大丈夫だろう、って思える感じだったので・・・。
結果的に市場価格より3〜4割近く、安く買うことができました。モルトがボロボロだったけど、67専用にカットされたモルトをつけてくださった。このオーナーさんも長く使うつもりだったんだろうと、モルトを張り替えながら大事に使おうと思いました。
大きくて重い
バケモノみたいな(重さ・大きさ)ペンタックスだから、バケペン。
X-Pro2と背を合わせてみました。上から見るだけでもその巨大さがわかると思います。重さはボディのみで1.8kgです。レンズを足すと2.4kgです。重いけど、意外と見た目ほど重くないです。
買ったのは6×7ミラーアップ+TTLファインダー
PENTAX67はいくつか種類があるのですが、僕が購入したのは6×7のミラーアップができるモデル。ミラーアップというのは、シャッターを切る前にミラーを上げておくこと。67のミラーはとても大きく(いやほんとに)、ミラーショックが起きやすいためこの機能が設けられています。
シャッタースピードは最速1/1000まで。これは最新の67Ⅱでも同じです。
67はファインダーが着脱式になっていて、ウェストレベルファインダーに交換したりできます。
僕のファインダーはTTLファインダーで、露出計が内蔵されているモデルです。
この写真は、ファインダーを取った状態で部屋の窓を写している様子。アイレベルで一眼レフライクに撮りたかったのも67を選んだ理由のひとつなのに、だんだんウェストレベルで撮りたくなってきます。
この動画を見るとウェストレベルファインダーが欲しくなります(笑)
大きなシャッターまく。少しよれていたので心配でしたが、問題なかった。
SMC TAKUMAR/6×7 105mmF2.4
67の標準レンズにして、おそらく一番人気のレンズ。中古価格も結構高いです。
ちなみにこれの105mmという焦点距離は、35mm換算で51mm相当です。
ざっくり半分って覚えとけばいいわけですが、6×6、6×4.5それぞれで違ってくるので、色んなフォーマットの中判カメラを検討しているとワケがわからなくなってきます(笑)
下記のサイトがとても役立ちました。
そしてこのレンズ、所謂アトムレンズ(トリウムレンズ)で、黄色く変色しています。
M42のタクマーもそうですが、この時代の一部のレンズはガラスに酸化トリウムを混ぜてあって、その影響で経年により黄色く変色するようです。
それにしても結構黄色い。
写真を撮り忘れましたが、SKYLIGHTフィルターというフィルターもセットでした。てっきりプロテクターかと思ってましたが、偏光フィルターでした。
欲しくなったきっかけみたいなの
元々中判フィルムはやってみたいなーと思っていました。その写りに感動したからです。
たぶん最初は濱田英明さんの写真。
今回67にしたのも、この人の影響が大きい(濱田さんは67Ⅱがメインだけど)。
他にも市橋織江さんの写真や、インスタなど色んなところで色んな人が撮った中判フィルムの写真を見てたのですが、グッと心が惹かれる多かったのです。じっくりと撮られたんだろうな、という思いのこもったような写真。
僕がもっとこういう写真が撮れたらな・・・と思う写真がそこにはあって、ずっと頭の中にいつか中判フィルムをやってみたいという思いがありました。もちろん、中判だから誰だってそういう写真が撮れるわけではなく、感性や腕の方が大事だとは理解の上ですが。
そして今回、冒頭で述べたとおり「ほしい」と口にしたことで物欲思いが爆発してこうなったわけです。秋って怖いな〜。
本当にどうでもいい話ですが、カメラやレンズを買うごとに、事前に妻に言えなくなってきました。「ほしいなあ」とか聞こえるように言ってほのめかす感じです。今回ついに宅配伝票を以て伝えることになりました。
「え、カメラ買ったの!?」
「はい」
「これは何?(Amazonの箱)」
「フィルムです」
「フィルム・カメラ」
「はい」
「いくらなの?」
「ん〜◯万円!」
「ふーん、じゃあ◯+1万円くらいってことね」
「()」
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「フィルム1本で何枚撮れるの?」
「10枚です」
「フィルム1本いくらなの?」
「600円くらいです」
「ふーん」
「はい・・・」
こんな感じで、頑張って働こうと思いました。
ちなみに私の物欲思いに拍車をかけた方々の記事、下記の通りです(他にも色んな方のブログを拝見しました)。
みなさんもどうですか。
撮りたいのは日々を感じる写真
買ってすぐのうちは色んなところで撮るだろうと思います。
ただこのカメラで撮っていきたいのは妻のポートレートと、すぐそばにある日常です。
毎日飲む珈琲とか、本棚とか、料理とか、道端の草とか、空とか。いやそれ普段から撮ってるじゃん、って感じですが、なんだかこのカメラで撮ると特別なものになる気がして。
そんな感じで、スローペースですがこのカメラを使っていきたいと思います。
近々ファーストロールの写真をあげます!これまた微妙な出来なんですが・・・(笑)
では!
中判カメラが気になったら読みたい非常に危険な本。1台で終わらない気がしてきますよ(笑)
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