夏の始まりと共に購入したGFX 50S。
中判センサーから吐き出される画に、思わず唸ってしまうこともしばしば。
ただ唸ってしまうのはそのアウトプットだけでなく、本体や純正レンズの値段もそう。高え。
本体はしばらく買換えの必要を感じません。しかし、どうしてもレンズは追加で欲しくなります。これはGFX購入時の悩ましいポイントでした。標準ズームを購入したと言えど、35mm判換算35mm・50mm・85mmあたりの単焦点はいずれほしくなるだろう・・・でもこれを揃えたら僕のカメラローンにパンチが効きすぎてしまう・・・。
悶々としながらインターネットの海を彷徨っていたとき、いくつかのブログからブレイクスルーを得ました。
- いくつかの35mm判用レンズのイメージサークルは、GFXセンサーをカバーする
- MINOLTA ROKKORレンズ(MD/MC/SRマウント)
- 3つのROKKORを購入
- 3つのRokkorレンズ作例
- GFXと35mm判オールドレンズという楽しみ方
いくつかの35mm判用レンズのイメージサークルは、GFXセンサーをカバーする
上記でピックアップしたいくつかの記事にもあるように、マウントアダプターを使って他社のレンズをつける方法です。それも、35mm判用のレンズ。これらを読み込んだ末、ある程度の条件を許容すれば、かなり低価格でGFXのシステムを組めると感じました。
中判フィルムユーザーからすれば、35mm判用のレンズを中判カメラにマウントするなんて考えられないと思います。全然フィルムの大きさが違うので、画が思い切りケラれてしまうからです。
対して中判デジタルの場合、35mm判(フルサイズ)とのサイズ差はフィルムのそれより、ずっと小さくなります。そのため35mm判レンズの中でも、イメージサークルの大きいレンズであれば、中判デジタルのセンサーをカバーできるというわけです。
MINOLTA ROKKORレンズ(MD/MC/SRマウント)
手始めに購入したのが、MINOLTA MDマウントのROKKOR(ロッコール)レンズです。これを購入したのは、jonas氏の記事の影響が大きいです。
僕が本記事で伝えたいことは、圧倒的な知識と作例でjonas氏の記事に書かれています(笑)
氏の記事にもある通り、ROKKORシリーズはほとんどのレンズがGFXセンサーをカバーします。僕の思い込みで、ここまでイメージサークルが大きいのはROKKORくらいだと思っていましたが、そうでもなさそうです。複数マウントで調べたわけではないので、なんとも言えませんが・・・。少なくとも C/Yマウントレンズは次の記事の通り結構なレンズが使用可能ですし、EFマウントも同じくです。
ただROKKORならではのメリットもあります。
まず35mm版レンズの中でも比較的安い。普段Y/Cマウントのツァイスとか眺めて「う〜ん、やっぱりヤシコンは安いな・・・」なんて言ってる人が見ると「おおおお半額以下!!」という気分になって良いです。
次に、焦点距離のバリエーションが良い具合。
まずは58mmF1.4という微妙な焦点距離のレンズの存在。これはGFXにつけると換算46mmになります。50mmの気分で使えます。ここが美味しいポイントというか、よくある50mmレンズはGFXにつけると広角気味(39mm)になるので。
45mmF2。これはGFXについけると換算35mm。スナップやテーブルフォトに丁度いい焦点距離です。
3つのROKKORを購入
僕が購入したのは3つのROKKOR。58mm/1.4、55mm/1.7、45mm/2です。総額3万円を下回ったと記憶しています。衝撃の安さ。55は曇り気味で、光が強い状況だと症状が出てしまいますが、他の2本はなかなか良い状態です。
まず、MINOLTAのマウントですがMC/MD/SRの3種類あります。これは機能(絞り優先に対応してるとか)によって呼称が異なるんですが、マウントとしては一緒です。マニュアルでしか使用しないので、機能面は放っておきましょう。
アダプタはおなじみK&Fのものを使用。APS-C向けのだと3000円くらいですが、GFX向けだと1万円くらいします・・・結構痛い出費(笑)。
複数アダプタを使うのは微妙かもしれませんが、EF-GFXを購入し、あとはレンズに合わせて○○-EFのアダプタを購入していくとコストは抑えれられます。フランジバックが短いEFマウント向けのアダプタはかなり多く出回っているので、ほとんどのレンズに対応できるはず。
MINOLTA MC ROKKOR-PF 58mm F1.4
まずは58/1.4です。先述の通り、GFXで使用すると35mm換算で46mmです。
見ていただくとわかるように、緑色のコーティングがされています。
また58mmには、開放値もF1.4以外にF1.2の「鷹の目ROKKOR」と呼ばれる銘玉があります。値段が少し上がってしまうのですが、いつか試してみたいところ。
この時代のROKKORは無骨で非常にかっこいい。GFXとのバランスもとても良いです。
確か1万円前後で購入しました。なかなか状態の良いものが売られてなかったりするようです。根気よく探しましょう(笑)
MINOLTA MC ROKKOR-PF 55mm F1.7
続いて55/1.7です。これはキットレンズの扱いだったのかな?MDマウントにも親しいスペックで50/1.7というのがあります。
これは58/1.4があれば不要かなとも思ったのですが、jonas氏のブログで高評価だったため購入(笑)
これも「緑のROKKOR」です。
外観は58/1.4とほぼ同じように見えますが、気持ちシュッとしています。ただ重いです。
僕が購入したのは少しチリ・曇りがあって5000円くらいでした。安い。最短が58より短い。
MINOLTA MD ROKKOR 45mm F2
45/2、こちらは"MD"です。先の2本のメタリックな外観と比べ、少し安っぽい見た目。MDのレンズはだいたいこの見た目です。
その分めちゃくちゃ軽量で、パンケーキ型なのも相まって、実質付けてないレベル。
コーティングは緑じゃないですね。
1万円ちょっとくらいだったと思います。これも状態の良いものが少ないそう。
3つのRokkorレンズ作例
さて、これらのレンズでの作例。特に58mm/1.4は極薄ピントで、かつ周辺減光が出るので非常にドラマチックな写りになります。
周辺減光についてはいずれのレンズでも発生します。特に45mmF2は結構大きい。絞ってもなかなか改善しないですが、ケラレるわけではないのでLightroomなどの現像ソフトで補正できます。
しかし周辺の解像についてはめちゃくちゃ甘い。使い所、構図を選びます。
いずれの作例もLightroomでRAW現像していますので、描写については限定された範囲での言及になりますのでご容赦を。
MINOLTA MC ROKKOR-PF 58mm F1.4 で撮った写真
レンズの焦点距離と被写界深度を35mm換算する場合、例えばAPSC用のレンズであれば約1.5倍します。
GFXセンサーの場合は約0.8倍です。よってこのレンズの焦点距離・被写界深度は35mm換算で46mmF1.1相当になります。
このレンズでまず撮りたくなるのはポートレート。開放で撮影しました。
特徴的なのはバブルボケですね。フィルム時代から好みが分かれるところだと聞きます。周辺減光補正・トリミングをしていない1枚ですが、そんなに派手な減光は無いですね。
こちらは少し絞った1枚。6角形の玉ボケがでます。この1枚は6×7にトリミング+周辺減光補正。
この写真は左側に寄せてトリミングしているのであれですが、6×7の比率で撮影(GFXで設定可能)すれば、減光も周辺解像の落ちもあまり気にならないかも。
とにかく開放。まあ単焦点レンズ買ったらね、まずは開放で撮りたくなりますよね・・・。
玉ボケを出さないとこんな感じです。
F8くらいまで絞った気がします。
上2枚に関してはjpeg撮って出しです。富士フイルムのフイルムシミュレーション「クラシッククローム」はアンダーな写真を撮るとき抜群にいい色を出してくるんですが、GFXでは更に深みが増しています。それにこの極薄ピントのオールドレンズ。特に1枚目の雰囲気たまらないです。こういう写真を撮るのに、この組み合わせは最高かも。
MINOLTA MC ROKKOR-PF 55mm F1.7 で撮った写真
続いてF1.7。これはjonas氏のブログを読むと、開放から高解像と好評でした。
うーん、わからんけど、良い。
開放から高解像でもピント合わせないと意味がない。ちょっとゆるふわ感出てるのはピン甘+若干レンズが曇ってるからです。
5,000円でこの写りなんで、見つけたら一旦買っておくと良いというか(笑)
僕のは状態が微妙で、曇りの影響が出ちゃったりしていますが、しっかり写るレンズだと思います。
MINOLTA MD ROKKOR 45mm F2 で撮った写真
最後は35mm版換算35mmになる、45mmF2のこのレンズです。
先の2本に比べ、周辺落ちは激しいです。
F2と言えど、かなりボケる。
そこそこ絞って撮影。周辺の解像が弱いのでトリミングが必要ですが、まずまずの解像ですかね・・・。
GFレンズには劣りますが、めちゃくちゃコンパクトなレンズなので、機能性高く色んなシーンの撮影で使えそう。
GFXにつけると明るい広角レンズとして使えるのは、魅力の一つかも。
GFXと35mm判オールドレンズという楽しみ方
GFXの純正レンズで35mm、50mmあたりのレンズを揃えると、ボディがもう1回買えるくらいの金額になるんですよね(笑)
そこで出てきた、今回の選択肢。小が大を兼ねることもあるんだなと、思った次第です。
マニュアルフォーカスかつ周辺解像度の低下、周辺減光など、撮影内容や条件によっては難しい要素もあります。しかし、中判デジタルでF1台の開放値を楽しめたり、35mm判で使用したときとは異なる画角が新鮮だったり、楽しめる要素がたくさんあります。GFXでは35mm判モードも搭載しているので、本来の画角で撮影することもできます。
こうして色んなレンズを楽しめるのも、GFXがフォーカルプレーンシャッター式のミラーレスだから。ハッセルはレンズシャッターなので、レンズの選択肢は限られます。
繰り返しにはなりますが、この楽しみ方が僕のGFX購入を後押ししました。悩まれている方、既に購入されている方の参考になれば幸いです!では。