No.26

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FUJINON XF16mmF1.4 R WRレビュー|明るくて寄れる広角単焦点

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広角レンズって興味がありつつも「使うかなあ・・・」って思って中々手が出ません。

どうしても「風景撮り」がメインな気がして、出番が減ってしまう気がするから。

ましてや広角「単焦点」なんて・・・と思っていた私、まんまと買って気に入ってるのが、このXF16mmF1.4 R WRです。

XF16mmF1.4 R WRの基本スペック

基本スペック(仕様)は次の通り。

市場価格は新品で10万円後半〜、中古で7万円前半〜ほど(2020年3月調べ)。

富士フイルムXシリーズの単焦点の中でも、高額な部類です。

基本スペック
レンズ構成 11群13枚 (非球面レンズ2枚、異常分散レンズ2枚)
焦点距離 f=16mm (35mm判換算:24mm相当)
画角 83.2°
F値 F1.4〜F16
絞り羽枚数 9枚(円形絞り)
最短撮影距離 15cm
防滴・防塵
サイズ ø73.4mm x 73.0mm
質量 約375g
フィルター経 ø67mm
メーカー希望小売価格(税別) ¥149,000

外観と操作性

外観はズッシリ、高級感もあります。XF56mmF1.2 RやXF23mmF1.4 R WRと近いサイズ感です。

フォーカスリングは軽やか。人によっては軽すぎると感じるかもしれません。絞りリングも同様で、これはXF56に近しいかもしれません(今手持ちでないので、比較できませんが・・・)。個人的にはこれくらい軽くても全然良いです。左手を添えたときに中指や薬指で難なく回せます。

付属のフードは一般的な花形フードで、プラスチック製。ただ別売で金属製の角型フードがあって、こっちがカッコいいです(後述)。

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このレンズ、ピントリングが上下に動くクラッチ式になっていて、ここでAF⇔MFの切り替えができます。

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上にするとAF(写真右)、下にするとMF(写真左)になります。

また近年のレンズには珍しい、被写界深度メモリ付き。このレンズ以外にも、富士フイルムのいくつかのレンズは被写界深度メモリがついています。

これで目測撮影もバッチリ。僕はあまり使いませんがw

別売の専用フードLH-XF16がかっこいい

かっこいいので写真が多くなってしまうのですが、かっこいいです。

このレンズはこのフードつけて完成なデザインかと。なくしてしまったのですが、シャッターみたいなスライド式の蓋がついています。

しっかりとした作りなので、多少ぶつけたり落とすくらいでは凹んだりしません。キズは付きますが。

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かっこいいのでお値段も中々しますが、かっこいいので仕方ない。中古でたまにお値打ちになっています。

ちなみにレンズフィルターの選択には要注意。厚みがあるものだと、干渉してこのフードが取り付けられなくなることもあるらしいです。安心なのは純正ですが、僕は下記のフィルターを使用していて、問題なくフードも取り付けられています。

純正はこちら

XF16mmF1.4 R WRの良いところ・気になるところ

後ほど作例と共に触れていきますが、このレンズの良いところ・気になるところです。

良いところ

  • 開放値F1.4の明るさ

  • 最短15cmで、フードが被写体にくっつくくらい寄れる

  • AFに不満なく、スッと合う

  • jpegとRAWを見比べても、歪の差は皆無

  • 色乗りが良い

  • 逆光耐性がある

気になるところ

  • 特にないです。僕が過去に手にしたXFレンズの中で最も優秀だと感じます。

作例|XF16mmF1.4 R WRの描写

自然風景

歪も少なく、発色も良いので自然風景の撮影がはかどります。

また、開放で寄って風景を入れながら自然物を撮るのも面白いです。

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スナップ

カメラを構えたとき、自分の目より広い世界を見せてくれる広角レンズ。スナップ撮影にもおすすめです。

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建物・構造物

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広角を手にすると、ついつい撮りたくなるのが建物です。

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あるあるですが、バチッとパースを効かせて撮影。イタリアのとき、街ではXF10-24を使うことが多く、こういうのはそれで撮っていたんですが、たまにXF16で撮ったりしました。画質はこちらの方が断然良いですね。明暗の表現や、発色がとても良い。

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縦写真。左のように、ふと見上げたときの写真の情報量が違ってくるのが嬉しい。50mmで見上げたらただの布でしたが、24mmで見上げるとベネチアになります。また、右のように建物が高い場合は縦構図がハマるなーと思います。

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店内を撮影するのにも向いています。

ポートレート

広角レンズとなると、風景がメインとなりそうですが、このレンズはポートレートに是非使っていきたいレンズです。

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明るい広角ということで、しっかり背景を入れながらポートレートが撮れます。

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朝方の撮影。クリアな写りで、発色もとても良い。

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喫茶店などで、テーブル越しの撮影にも最適です。これは同じ位置に座りながら撮影した2枚なのですが、最短撮影距離の短さが効いて、こんなにバリエーションを付けることができます。

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広い建物の中での撮影も良いですね。

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せっかくなんで風景を入れようと、横構図での撮影をしがちなんですが、縦も新鮮で面白いです。

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それぞれ逆光の2枚。左みたいに光源被っちゃえば、とてもクリーンに写ります。右は若干光源が写り込んできています。こんな感じのフレアと、若干のゴースト。

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薄暗い店内でも、広角ポートレートが撮れるのは、明るい単焦点レンズならでは。

テーブルフォトや物撮り

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植物は是非寄って、広角マクロを楽しみたいです。最短15cmまで寄って、F1.4で撮影すれば、広角レンズでもここまでボケてくれます。

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動画(Vlog)撮影にも向いている

このレンズ、動画撮影にも向いています。特にVlog撮影です。

まず画角がVlogで使いやすい24mm相当であること。そして開放値がF1.4〜と明るく、最短撮影距離が15cmであるため、単焦点ながら画の幅を作りやすいことです。加えて防塵防滴でAFもスムーズ。富士フイルムのカメラで動画を撮られる際は、是非試してほしいレンズです。

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この2つはXF16mmF1.4 R WRをメインで使って撮影した動画です。

他の広角と悩みますよね

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僕がこのレンズを購入したのは、イタリア旅行の際でした。イタリアは大きくて魅力的な建造物が多いため、広角は必須かなと思い、広角レンズを検討し始めました。

当時検討に上がったのはXF16、XF14、XF10-24。結果、XF10-24を購入しました。これだけ超広角であれば、イタリアでも困ることはまずないと思ったこと、テレ端が換算35mm相当で、スナップにすぐにスイッチ出来る点が良いなと思いました。F4通し、まあまあ寄れる、手ブレ補正対応なども良かったです。

しかし同時に少し試したXF16の描写が忘れられず、結局こちらも購入しました(笑)

結果としてイタリアでの使用頻度はXF10-24の方が高かったです。手持ちのレンズで最広角という安心感と、すぐ換算35mmまでズームできるのがイタリア旅行にはピッタリでした。

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XF10-24で撮影。超広角からスナップしやすい換算35mmにすぐスイッチできる

ただ写りとして感激したのはXF16で、カメラの液晶で見ていてもその美しさは伝わります。このレンズでイタリアを撮影出来てよかったなーと思います。そして周りの景色を入れつつ妻の撮影をしたかったという点においても、このレンズを購入して正解でした。高画質かつより広角なXF14を選ばなかったのは、ポートレート用途でのポイント差が大きいです。

ちなみに現在はXF16mmF2.8 R WRという新たなる刺客が出てきました・・・。F2.8と抑えめな開放値ですが、防塵防滴仕様でコンパクト。しかも最短撮影距離17cmと、XF16mmF1.4 R WRと2cm差です。加えて値段が半額程度なので、非常に悩ましい選択肢です。是非これは実物を試して比較していただきたいです。

盤石の体制でいくのであれば、F1.4かもしれませんが、持っているカメラがグリップの弱いX-T30だったりX-ProシリーズだったりするとF2.8が合うかも。良いんですけど、富士のレンズナインナップは一生悩みますね。

以上、XF16mmF1.4 R WRのレビューでした。是非一度使って見てほしいです!!では〜

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